わが国は、美しい四季と自然景観、素晴らしい文化や歴史、日本人のホスピタリティ、洗練されたサービスマインド等の強みを最大限に活用して世界有数の「観光立国」として発展することが可能です。そのためには国家と国民が一体となって「豊かな地域の形成と観光ビジネスの発展」に取り組まなければなりません。2009年には民間出身の観光庁長官も誕生して、政府に「観光立国推進本部」がスタートするなど、わが国において「観光の発展」に向けて確かな追い風が吹き始めています。
2009年(平成21年)の訪日外国人旅行者数は、世界経済の低迷、円高、新型インフルエンザの流行等の影響で679万人でしたが、2010年は861万1,500人(対前年比+26.8%)、2009年の日本人出国旅行者数は、1,544万5千人でしたが、2010年は1,663万6,999人(対前年+7.7%)と急回復しています。訪日外国人旅行者数が今後ますます増加する傾向は変わりません。観光庁は、2020年には外国人訪日旅行者数を2,500万人、日本人出国者数を2,000万人にそれぞれ増加させる計画の実現をめざしています。
@少子高齢化の進展:わが国では、急速に少子高齢化が進展しており将来的には人口が大きく減少するので、国民が今の生活水準を維持するために必ずしもいつまでも工業製品の輸出に頼り、製品輸出による右肩上がりの経済成長ばかりを追求する必要がなくなっています。
A地域経済の活性化:地域経済の活性化を図り、豊かな地域づくりを進めるためには、それぞれの地域に育まれた地域独自の文化や芸術を含む、地域の観光資源を活用した新たな町づくりや新たなビジネスの創出が望まれます。地域の魅力に気づいた国民はその地域を訪れることはもちろん、日本国民に評価される地域の魅力は外国人にとってはさらに大きな魅力であり、訪日する外国人旅行者を増大させることで、その滞在費や物品購入費など膨大な国内消費が期待できることになります。
B為替変動への対応:わが国には、製品化に必要になる天然資源が存在せず、原材料のほとんどを外国からの輸入に依存せざるを得ない現実があります。為替相場の変動による円高は原材料を割安にするものの輸出競争力を低下させる一方、円安は輸出競争力を高めますが原材料の仕入れが割高になることから、わが国は「ものづくり」と「観光」の両輪で経済的なバランスをとって、常に変動する為替相場に左右されない安定した経済社会を構築することが必要です。
C雇用の拡大:最近の傾向として、世界的に就業環境の悪化が進展しており、わが国においても若者の就職が難しい状況が社会問題化しています。あらゆる産業の中で、雇用の創出効果が最も高い産業分野はサービス業であり、とりわけ観光関連ビジネスの発展に伴い、若者や熟年者にも雇用の誘発が期待できます。観光ビジネスに分類できる諸産業をあらためてリストアップしてみると、以下に挙げるように非常に幅広い分野から構成されていることや、観光ビジネスが多様な業種から成り立っているすそ野の広い巨大なビジネスの集合体であることがお分かりいただけると思います。
『観光の窓口』でご紹介する観光ビジネスは、@旅行業、旅行業者代理業などの「旅行関連観光ビジネス」、Aホテル、旅館、民宿、ペンションなどの「宿泊関連観光ビジネス」、B国際・国内航空、鉄道、貸切バス、客船、レンタカーなどの「運送関連観光ビジネス」、C空港施設、空港送迎、航空貨物、添乗員派遣、ガイド、ツアーオペレーター、旅行保険、婚礼ビジネスなどの「サービス関連観光ビジネス」、D音楽、アート、スポーツ、イルミネーション、祭り、博覧会などの「イベント関連観光ビジネス」、Eテーマパーク、レジャーセンター、農業公園、観光農園、地ビール・ワイナリー、ゴルフ・スキー、マリン、温泉施設、エステ、カジノなどの「娯楽関連観光ビジネス」、F日本人・外国人向け土産、道の駅、駅ナカ、サービス土産などの「土産関連観光ビジネス」、Gレストラン、中食、ケータリング、駅弁・空弁などの「飲食関連観光ビジネス」、H産業観光、農業体験、林業体験、漁業体験などの「産業関連観光ビジネス」、I大学・短大、専門学校、語学学校、カルチャーセンター、博物館などの「教育関連観光ビジネス」、J旅行ファッション、旅行かばん、旅行用品、観光情報・観光宣伝、ロケ地誘致などの「その他観光関連ビジネス」など約70の業種にわたります。