歴史街道 丹後100qウルトラマラソン

京都府京丹後市で開催された「歴史街道丹後100qウルトラマラソン(以後、丹後ウルトラマラソン)」に出場してきました。各地でスポーツイベントが開催されていますが、最近のランニングブームにより、特にマラソンは参加者が増加傾向にあり、ブームに乗って、町おこし、村おこし、地域ブランドの向上などの目的で、新しいマラソンイベントが各地で開催されるようになっています。今年で12年目の丹後ウルトラマラソンも、このところ毎年数百人単位で参加人数が増加してきており、今年は100qの部で約2000人、60qで約1000人ものランナーがエントリーをしています。

丹後ウルトラマラソンの特色は、山陰海岸国立公園の美しい自然と、歴史のある丹後の町並みの中を走ることができることです。丹後半島のリアス式海岸沿いの道から丹後の町中、田園や山林の間を走り抜けて風光明媚な海岸や山並みを満喫できるコース設定になっています。丹後ちりめんの産地であり、町中を走ると機織りのガタンガタンという音がどこからか聞こえてきます。そして、同時に、いくつもの峠を越えていく日本でも屈指の難コースであり、全国から足自慢のランナー達が集まってきます。

100qの部は早朝からのレースですので、前日から宿をとり翌朝に備えます。

9月16日午前4時半、いよいよスタートです。まだ真っ暗な中、町の中を走り抜けるといきなりの七竜峠越えで、最初から厳しいコースとなっています。峠を越えた頃に、ようやく空が明るくなってきます。前日に夕日を見ていた夕日ヶ浦の前を、きれいな砂浜を眺めながら走ります。そして、その後は、潟湖となっている海の青と森林の緑のコントラストが鮮やかな久美浜湾を一周してから、もと来た道を戻り、夕日ヶ浦を見ながら七竜峠越えです。この頃になると気温もかなり上昇してきて、もう30℃程度になっています。暑さの苦手な私は、気温が上がるにつれて、少しずつペースが落ちてきます。

何とか50キロ地点のエイドのある「丹後あじわいの郷ゆーらぴあ」へ到着。日曜日は、多くの家族連れ賑わっている花・ふれあい・あじわいをテーマとした公園です。疲労度も高まってきた頃ですが、小さな子供たちががんばれーと可愛い声で応援してくれるので、その声援で気力が復活します。ランナー達は、数キロ単位に設営されたエイドで束の間の休憩をとります。エイドでは、地元の方々が暖かく迎え入れてくれます。子供たちによるマッサージの提供もあり、地元の人たちとのふれあいもうれしい瞬間です。

しばらく平地を走ってから、最大の難所である碇高原牧場までの峠を登ります。これでもかというくらい登りばかりでランナー泣かせの坂道が続きますが、ふと横を見てみると、向こうの方に美しい山々の姿を望むことができ、一瞬暑さを忘れることができます。そして、何とかたどり着いた72.5q地点にある碇高原牧場のエイドでしたが、ここで制限時間を超えてしまい、泣く泣くリタイヤとなりました。この峠を下ると、海岸線に沿ってアップダウンの少ない道を走ることになり、気温も下がってくるため、これまでの道と比べるとかなり走りやすくなるはずだったのですが、残念な結果です。

最後に、丹後ウルトラマラソンの魅力は、豊かな自然とこの土地の人たちの暖かい心に触れ合えるという点だと思います。コース途中も多くの人が沿道からエイドから応援をしてくれます。そして、ゴールのアミティ丹後の近くまで走ってくれば、より多くの人が声援を送ってくれて、レースの最後に本当に気持ちのよい瞬間を迎えることができます。それは、町をあげてのおもてなしの心が伝わってくる瞬間でもあります。このゴールの瞬間を味わうために、ぜひまた挑戦したいと思います。

(2012/09/22 観光ビジネス研究会 柿原 泰宏)

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撮影日:2012年9月16日 撮影場所:スタート地点(左)、七竜峠からの眺め(右)

 

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Q1: ウルトラマラソンってなに?

A1: フルマラソンより長い距離を走るレースをウルトラマラソンと呼びます。国内で有名なものでは、サロマ湖、チャレンジ富士五湖、四万十川、星の郷八ヶ岳野辺山高原といった100kmを走るものが多いのですが、50qのレースや中には200q超を走るレースもあります。最近では、同じウルトラマラソンでも、ウルトラトレイル・マウントフジ(UTMF)のように山岳地帯を走るトレイルレース、スピードを競わないマラニックのような大会も多く開催されるようになっています。マラソン人口が増加しており、大会の趣向も多様化しています。

 

Q2:へ〜。42.195kmのマラソンより、距離の長いマラソンがあるんだね〜。どうして各地でマラソン大会が多く開かれるようになったの?

A2:京都マラソン(京都市)の経済効果が約41億円、長野マラソン(長野市)が約10億円、NAHAマラソン(那覇市)が約16億円とする数字が発表されています。マラソンイベント開催による集客とイベントの参加費用だけでなく、それから派生する宿泊費、食事代、お土産代など、開催地とその周辺には大きな経済効果が見込まれることから、各地でスポーツイベントが開催されています。しかし、これからは、他の地域との差別化も重要になるでしょう。

 

Q3: なるほど、そっか。とこで、京丹後に見どころってどんなところ?

A3::今回、私が宿泊した夕日ヶ浦は、「日本の夕陽百選」に選ばれるほどの夕日の名所です。私が宿泊した日は、少し雲が多く真紅の夕焼けを見ることはできませんでしたが、それでも壮大で素晴らしい光景を楽しむことができました。さらに、夏場はサーファー達が集う海岸でもあり、多くのサーファーがサーフィンを楽しんでいました。その他、本文で紹介したマラソンのコース近辺以外では、鳴き砂で有名な琴引浜、細川ガラシャや小野小町、羽衣伝説にまつわる場所など歴史にかかわる名所が多くあります。また、山陰海岸ジオパークとして世界ジオパークに認定されるなど、多彩な観光資源を保有する土地です。ジオパークとは、科学的に見て特別に重要で貴重、美しい地質遺産を含む一種の自然公園を指します。

 

Q4: 最後に、京丹後の特産品について教えて

A4: 3百年の歴史のある丹後ちりめん、へしこ(鯖の糠漬け)、冬場では、ブランドとして知られる松葉ガニ(特に間人ガニが有名です)、カキなどがあります。

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