柴山港のタグ付きブランドかに

 冬の味覚として一番人気の「松葉かに」が食べたくて、12月中旬に兵庫県北部の日本海沿岸に位置する松葉ガニの本場、柴山に行ってきました。柴山湾は入り江が内陸部の奥まで入り込む形状が穏やかな環境を造り上げ、昔から避難港としても有名です。また、この天然の良港である柴山港は、松葉かにの日本一の水揚げ漁港として昔から知られており、ここで水揚げされる新鮮で美味しい松葉かにと柴山温泉が楽しみな旅でした。

 JR柴山駅は城崎温泉から2駅にあるのですが、利用者が少ないため無人駅になっておりさみしい状況で、1時間に1本のローカル線列車はコスト削減のため車掌がいないワンマンカーとなっていました。暖房のため車両のドアの開閉は、その必要に応じて乗降客が自らボタンを押して開閉する形式です。列車の乗り降りについては、普通は自動的にドアが開閉するので、ドアの前に立ったままの乗客が多く、私は、中から“開くボタン”を押してドアを開けてあげました。乗客は乗車したら今度は“閉まるボタン”を押さないとドアは閉まらないのですが、ほとんどの乗客がボタンを押さないまま席につくので、事情の分かっている私が何度も席を立って“閉まるボタン”を押さなければならないのは困りました。座った席がドア近くで風が寒くてドアを開けっ放しにできない季節だったのです。

 部屋でいただいた柴山かにも想像以上に新鮮で、刺身、焼き、ゆで、鍋、おかゆとも、文句がつけられないほどの絶品で大満足できました。また、宿の温泉に浸かると男性ながら肌がしっとりするのがわかるほど気持ちがよい温泉でした。

 予約した旅館は真正面に柴山湾の海が見える部屋で素晴らしく、部屋からは“柴山かに”と建物の壁面に大きく書かれた柴山漁港と、目の前の海岸には真新しい案内サイン(写真を参照してください。)があり、この地域が「山陰海岸ジオパーク」として世界ジオパークに登録されたことが記載されていました。この地域をこれまでの冬の松葉かにや温泉、夏の海水浴だけでなく、地域の自然景観を活かした新しい観光客の誘致につなげて、地域の観光の振興に力を入れようと努力していることが感じられました。

 長い時間をかけて地域が育て上げた歴史や生活文化、自然景観の素晴らしさを積極的に情報発信するなど、地域の魅力を磨き上げて観光による活性化を図ることができれば、きっと柴山駅も無人駅ではなくなると思いました。(観光ビジネス研究会 加藤 弘治) 

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撮影日:2012年12月12日、撮影場所:兵庫県北部柴山湾

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Q1: 柴山のタグ付きブランドかにって?

A1: 柴山港は兵庫県美方郡香美町の香住海岸にある漁港です。近くの香住漁港と柴山漁港で水揚げされる松葉かに量の合計は全国第1位を誇ります。柴山漁港で水揚げされる松葉かには特に有名で、柴山のタグ付きかには新鮮で美味しい松葉カニのブランドとして高い品質が保証されています。

 

Q2: 柴山のカニは美味しいんだね。松葉かにの本場ってほかにもある? 

A2: 柴山港で水揚げされる柴山かにが代表格で、香住かに、佐用かに、間人かにも有名です。いずれもその新鮮で美味しい品質が知られている分、値段も高くてなかなか庶民は口にすることができません。

 

Q3:カニって、高いけど美味しいよね。でも、柴山には温泉があったっけ?

A3: 城崎温泉と湯村温泉の間にあって、松葉かにで有名な柴山には柴山温泉があります。城崎温泉はあまりにも有名で観光客も多く、やや俗化しているとの評価もある中、城崎温泉駅から2駅にある柴山温泉は、肌がつるつるになる隠れた名湯としても注目したいところです。この地域は「山陰海岸ジオパーク」として世界ジオパークに登録されてします。

 

Q4: 隠れた名湯って、ワクワクするね。でも、世界ジオパークってな〜に?

shibayama_3.jpgA4:ジオ(地球)に親しみ、ジオを学ぶ旅、ジオツーリズムを楽しむ場所がジオパークです。山や川をよく見て、その成り立ち としくみに気付き、生態系や人間生活との関わりを考える場所であり、足元の地面の下にある岩石から宇宙まで、数十億年の過去から未来まで、山と川と海と大気とそこに住む生物について考える、つまり地球を丸ごと考える場所、それがジオパークです。

 

Q5:そ〜なんだ。でも、柴山以外に日本で世界ジオパークの認定地域ってあるの?

A5:2012年5月現在で世界ジオパークに認定された地域は5つあります。

2009年8月に「洞爺湖有珠山ジオパーク」、「糸魚川ジオパーク」、「島原半島ジオパーク」が、2010年10月に「山陰海岸ジオパーク」、2011年9月に「室戸ジオパーク」がそれぞれ認定されています。


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