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地域観光視察

『針江生水(はりえ しょうず)の郷への取り組み視察』

平成30年7月15日(日)、滋賀県高島市 針江地区にて、

「針江生水の郷 エコツアー」を実施いたしました。

1.視察目的

・地域保全から持続可能なエコツアーの先進的な取り組みについて

 観光ビジネスコミュニティ会員と共に学ぶ。

2.「針江生水(はりえしょうず)の郷」概要

・針江地区(滋賀県高島市)には

 豊富に湧き出る安曇川水系の伏流水を活かした

 人里の生活環境「川端文化(かばたぶんか)」

 が今も存在しています。

 各家庭の元池から湧き出た生水が壺池に入り、

 その水は料理、野菜洗い、洗顔に使われた後、端池に流れ込み、

 そこではたくさんの鯉を飼い、鯉が料理の残りかすなどをきれいにし、

 水が浄化された後は家の前の小川から

 やがてびわ湖に流れていくという仕組みです。

 生水の郷の人々は

 こうして昔から水を大切にし自然とともに生きてきました。

・2004年に「NHKスペシャル」で紹介され反響を呼び、

 国内外を問わず観光客が急増。

 その後、地方の静かな住宅地に住む住民の生活と川端文化を守るため、

 大衆観光地化せず、まちを紹介する仕組みづくりを作りました。

 今年で15年目、委員65名、ガイド5名の組織。

・具体的には、地域住民で「針江生水の郷委員会」を立ち上げ、

 予約制(有料)で地域住民がボランティアでガイドツアーを実施。

 案内料金は環境協力金として、

 地域の環境整備・保全等に使用。

 国や自治体などからの補助なしで運営されています。

 視察当日は、同委員会の三宅会長にガイドをいただきました。

・様々な環境保全の取り組みが評価され、

 重要文化的景観選定、日本遺産認定、平成の水百選選定、

 エコツーリズム大賞受賞など数々の賞を受賞しています。

  ※ホームページ:http://harie-syozu.jp/

3.現地視察風景

「針江生水(はりえしょうず)の郷」の入り口

こどもたちは針江大川で遊んでいました。

昔ながらの風景があります。

初夏の頃は、ホタルの観察ができます。

水中に咲く梅花藻を見ることができます。

里の各所にこのような告知がなされています。

また、太陽光発電や水力発電による、

灯篭の設置をみることができます(数十基)。

安曇川の伏流水が地表に湧き出ます。

これは、ポンプアップではなく、

数メートル掘れば必ず地下水が湧き出る

(自噴といわれています)ような生水の郷です。

里の生活に川端文化が根付いています。

洗いものは川端で行います。

これは、外川端といって、

自分の敷地に、あづまやのようなものを造成し、

水を引き込むか、井戸を掘るなどして生活水を確保します。

鯉をペットのように飼っています。

内川端といって、家の中に水路を誘導しているところもあります。

ここは、小料理屋をしていた家屋とのことでした。

郷の公民館横には、水車を復活させています。

大川の下流域にきました。

中島自然池

NHKで放映されたとても心に残る風景。

船着き場にヨシ群生地がある自然の宝庫。

オープン3年目の比較的あたらしい

「宿泊・レストラン・ショップ・日帰り入浴」のお店があります。

お店の中にも、川端が見られます。

水質検査もされており、実際に汲んで飲めます。

◎針江生水の郷エコツアーに参加した後、

 酒蔵見学に川島酒造(株)を訪れました。

川島酒造(株)は、1865年創業の針江地区唯一の酒蔵です。

酒蔵見学は、6代目の川島達郎社長が説明してくださいました。

(下の写真 右から2人目の方が川島社長です)

川島達郎社長は

発酵文化を標榜されており、地域経済の立役者でもあります。

 お酒、みそ、しょうゆ、酢、ヨーグルト、エタノールなどは、

 私たち日本人の得意な分野とされ、今世界的に見直されている。

エネルギ革命、化学革命、インターネット革命、情報革命、

は光と影を伴った革命であったが、

発酵革命は人間に寄り添う循環型革命の旗主となり得る。

針江生水の郷には、これらが揃っている。

川島社長の「これからの酒造りへの情熱、地域への想い」を

うかがうことができました。

その後、川島酒造(株)から湖西線新旭駅に向かい

「針江生水(はりえ しょうず)の郷」地域観光視察は

無事終了いたしました。

◎日時・行程

7月15日(日)

 京都駅 9:16発 ⇒(JR湖西線で約50分)⇒ 新旭駅 10:01着

10:20     

 針江公民館(現地集合) ※JR湖西線新旭駅から徒歩15分

10:30~13:00 

 川端と街並み、里山湖畔の見学(現地ガイドによる案内)

 各家庭の川端とエコな生活の様子、静かな昔懐かしい街並みの散策。

  琵琶湖湖岸の葦原の保存、

  在来種の魚を増やす取り組み《うおしまプロジェクト》や

  里山・自然の宝庫でNHK【里山命めぐる湖辺】の舞台になった

  船着き場を見学。

13:00    昼食(各自負担)

 「ラシーヌホーム ハリエ」(針江地区にある宿泊・飲食施設)

14:00    

 川島酒造見学(1865年創業の高島市の酒造会社)

 川島酒造社長による同社の歴史・酒蔵案内、試飲など

15時頃    現地解散

〇付近の施設

 朽木渓流センター http://www.kutuki.co.jp/

 ソラノネ食堂 http://soranone.jp/cafe

 ガリバー青年旅行村 http://www.gullivervillage.jp/

 函館山スキー場 http://www.hakodateyama.com/

 マキノビッグランド http://xn--ncke3dzaw0b5dze4d.com/

 水あそび工房

 メタセコイヤ並木

<執筆 観光ビジネス研究会研究員 福嶋康徳>

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